「我々の家を直す工事だから」 理事長の言葉に住民みんなで協力

ガーデンハイツ城東改修工事

 栃木県小山市。駅前のにぎやかな街並みを抜けるとすぐに住宅街が広がる。運動場の広い規模の大きな小山市立小山城東小学校に隣接する、8階建てのガーデンハイツ城東の屋上に上ると、360度視界をさえぎることのない関東平野にいることがよくわかる。  平成9年に竣工したマンションは長期修繕計画の通り、23年3月の総会で大規模修繕委員会を立ち上げた。ここで委員長に選出されたのが鳥羽一行・現理事長。輪番制で次に回ってくる理事会を見据えて、大規模修繕工事の陣頭指揮をとることになる。  工事計画を作成するにあたって鳥羽理事長が一番気にかけていたことは「住民みんなが満足する工事にしよう」ということ。  工事を決めた総会、住民説明会で繰り返し「我々の家を直すのだから、しっかりと工事関係者に協力しましょう」と呼びかけた。  現場代理人の岩浪正さんは「理事長の言葉が効いたと思います。本当に協力的で工事をしやすいマンションでした」と話す。  足場組み立ての際、近隣に一時的な代替駐車場を探したがなかなか見つからなかった。このとき、車を戸建ての庭先に置かせてもらえるよう情報を持ってきたのが住民であり、「地元の人間じゃないとできない対応がたいへん助かった」と岩浪さん。「工事中の苦情も一切ありませんでした」。  工事会社に対する理事長の評価もすこぶる高い。「最初は地元のゼネコンにしようかと思ったけど、やはり改修専門は経験があって頼りになった。とにかくお知らせなど全戸への連絡が小まめにやってくれる。これが一番大切」。  苦情が表れないのも、コミュニケーションが図れていた効果といえよう。  エントランスの自動扉化、共用電灯のLED化、ノンスリップの防水シートなど、外観に気を配ってきれいになったマンションに住民みんなが満足のいく工事に仕上がったようだ。

工事データ

○工事名/ガーデンハイツ城東改修工事 ○建物概要/ 1997(平成9)年6月竣工・SRC造・1棟・地上8階建て・83戸 ○発注者/ガーデンハイツ城東管理組合 ○主な工事内容/共通仮設(現場事務所、資材倉庫、廃材仮置場の設置等)/直接仮設(建物外周足場・メッシュシート養生等)/下地処理(外壁・天井等の鉄筋爆裂、ひび割れ、モルタル浮きの補修等)/共用外部仕上げ(共用外部壁・天井、バルコニー内壁・外壁、階段内壁・外壁、エントランスホー
ル壁、磁器タイル貼り替え等)/共用鉄部塗装/防水/その他改善・改良(LED照明への交換、エントランス自動扉化等) ○工事期間/ 2012年9月1日~ 2013年2月9日