機械式駐車場25台分を解体、撤去

ダイアパレス川崎グリーンポート大規模修繕工事

 近年のマンションは、駐車場不足よりも駐車場空きの問題を抱えている傾向にある。住民の高年齢化、若者の車離れが、その要素といえるかもしれない。
 マンションでは、機械式駐車場のシェアが多くを占め、駐車場の借り手がなければメンテナンス費が赤字となるケースが増えている。そもそも駐車場の保守費用、交換費用を独自口座で管理しているマンションは少なく、管理費会計で収入・支出を計上しているところがほとんどだ。
 ダイアパレス川崎グリーンポート管理組合は、1F住戸の専用庭の一画にある専用使用権付き平置き式駐車場12台と、機械式駐車場75台が設置されていた。
 ところが、管理組合によると、この機械式駐車場の借り手が徐々に減って、25台分のパレットが空いた状態であったという。155cmという車高制限があり、外の民間駐車場を借りている人もいる。
 使用料収入の60%は管理費会計、40%が積立金会計。メンテ費は管理費会計から支出するシステムである。


メンテ費、年間200万円を超えていた


 機械式駐車場のメンテ費は1パレット3,000円×年6回で合計年間約135万円。それでも1パレット4,500円で200万円を超えていた金額から再見積もりをとって下げた数字である。
 「ある時メンテナンス会社から、異常があるから修理する必要があるといわれた。危険です、と。別に費用がかかるので理事会で検討するんですが、その検討に半年かかることもある。半年も同じ状態にしていて何が危険なのでしょうか」とある役員の話。
 日常のメンテのほかに3年ごとの塗装、チェーンやベアリング等消耗品の交換、将来の建て替え…機械式駐車場ほどの金食い虫はない。
 しかも25台もの空きがある。とても費用と効果がマッチしているとはいいがたい。「だったらつぶしてしまえ」。
 大規模修繕工事に合わせて、25台分を解体・整地した。その費用約300万円。解体後は平置き6台分を置き、使用料収入に組み込む。
 管理組合では「不要となるメンテ費を考えれば、工事費はあっという間に元が取れる」と話している。

撤去前の25台分の機械式駐車場。以前は75台全部で年200万円以上のメンテ費が必要だった

撤去の際には、地下ピットを埋め、産業廃棄物を捨てる作業を行う

撤去後は平置き6台分を確保。メンテナンスフリーで使用料がそのまま管理組合の収益になる

川管ネットの理事を招いて、照明を明るくした集会室で工事の説明会&情報交換会も

工事データ

○工事名/ダイアパレス川崎グリーンポート大規模修繕工事○建物概要/ 1999年竣工・地上7階、地下1階建て・1棟・101戸 ○発注者/ダイアパレス川崎グリーンポート管理組合  ○駐車場使用料(月額)/(旧)機械式75台2万円、専用使用権付き(1F住戸のみ)平置き12台2万2,000円 (新)機械式50台2万円、専用使用権付き(1F住戸のみ)平置き18台2万2,000円