東日本大震災時 作業員全員で全世帯に一声かけ「安心を」

テラス加賀大規模修繕工事

施工会社の日装が奨励しているのが、社員のサービス介助士資格の取得。
3月11日東日本大震災時には、エレベーターの停止などもあり、作業を一旦中止し、危険個所を調べ、「一声をかけて安心してもらおう」ということから、作業員全員で全世帯を回った。
別の物件では高齢の住民を5階までおんぶして上がった例も。「具体的に何をするかというより、介助に対する意識や配慮があります」と現場代理人の塩田晃久さん。
工事の配慮においても、エレベーター内の養生については一般的な単なるベニヤ、プラスチックベニヤではなく、見栄えのよい化粧ベニヤを使用。消臭剤も設置するなど、日装の統一仕様として徹底している。
また今回、加賀テラス大規模修繕工事には、新卒社員を現場に派遣。作業員としてよりも工事素人の住民の立場の目線での意見も吸い上げている。
7月1日から正式に工事部所属となった杉勇介さんは「住民だったらどう感じるかと思って」と初体験の工事現場の様子を学んだ。
「床の養生シートがめくれているなど、作業員などが注視していないところに目がつきました」
これから改修業界を担う人材。管理組合と住民と改修工事の関係をよく理解して、業界を支えてほしい。

工事データ

○工事名/テラス加賀大規模修繕工事
○建物概要/ 2000(平成12)年3月竣工・RC造・地上14階地下1階・2棟(高層棟、低層棟)・109戸
○発注者/テラス加賀管理組合 ○設計・監理者/㈱翔設計
○主な工事内容/共通仮設/直接仮設/下地補修・洗浄・シーリング/外壁等共用部塗装/鉄部塗装/防水/その他付帯工事
○工事期間/ 2011年2月7日~7月30日