神奈川・大和市/つきみ野ビレジDブロック管理組合

3回目の大規模改修 初の競争入札で充実した工事ができた

つきみ野ビレジDブロック大規模修繕工事

3回目の大規模改修工事。今回、はじめて見積り合わ せによる競争入札を試みた。同時に、「利便性の向上によ り、財産価値を高める」ことを意識していたという。  工事計画は平成27年、管理会社から提案された。1、 2回目の大規模改修や設備改修も、管理会社が施工を行っ ている。  今回は、大規模改修工事に伴い管理組合が修繕委員会 を発足。今までは、管理会社主導の下で行っていた大規 模改修工事を修繕委員会主導の下で建物の調査・診断を 行い、報告書を作成した。  しかし、築40年近くとなって住民が高齢化し、修繕積 立金の値上げや一時金の徴収は容易ではない。一方、建 物をグレードアップさせるような費用のかかる工事の必 要性も感じている。  そこで、修繕委員会の報告書に基づき、共通仕様書・見積書を自分たちで作成。 管理会社の言われたとおり の業者選びではなく、競争 入札による業者選定をはじ めて行ったのである。  平成28年4月の定期総 会後、応募のあった施工会 社5社に共通仕様書・見積書を配布し、7月の臨時総会で㈱カシワバラ・コーポレー ションを内定した。  選定理由として、管理組合では「営業マンの反応がよく、 レスポンスが早かった」ことをあげている。見積書の作 成の際も、真っ先に現場に来る、質問などもてきぱきし ている。こうした態度が次第に「信頼感を得られた」と 理事や修繕委員らに浸透していったようだ。  こうした態度は業者選定後も変わらず、住民の生活動 線と資材搬入計画の作成、住民説明会での対応など、動 きの速さや丁寧な仕事で応えてくれたので安心したとい う。  競争入札によって費用が抑えられたメリットもあった。 当初、考えていた利便性の向上についても、集合ポスト や洗濯物干し金物の交換、階段室内手すり新設など、基本工事に加えることができた。  理事会役員のひとりは「管理会社お任せだった1、2回目よりは、自分たちで動いて行った工事だったので、 とても充実した工事ができたと思う」と話している。

(大規模修繕工事新聞90号)

階段室前の足場は、特に落下 防止を強固にした組み立てを 行った

メーカーによる既存防水状況 の確認

バルコニー床のズレを確認

敷地内の バルコニーの手摺りを塗装(中塗り作業中)

外壁塗装(中塗り作業中)
建物立ち上がり部分は土を掘削して塗装する
PS扉部分の鉄部塗装(中塗り作業中)
階段室に手すりを新設した

工事データ
○工事名/つきみ野ビレジDブロック大規模改修工事 
○建物概要/1978(昭和53)年竣工・PC造・地上3階・3棟・54戸 
○発注者/つきみ野ビレジDブロック管理組合 
○主な工事内容
・共通仮設/現場事務所・作業員休憩所・資材倉庫・手洗い場・仮設トイレ・廃材コンテナ等の設置
・直接仮設/建物外周に鋼製の足場を設置
・下地補修/外壁等の調査、鉄筋爆裂補修、モルタル浮き補修、ひび割れ補修他
・シーリング/外壁のシールの新規打ち替え
・外壁高圧洗浄/外壁塗装面および床面の高圧水洗浄
・外壁塗装/外壁・天井他の塗り替え
・鉄部塗装/鉄扉、鉄骨階段、隔て板、堅樋等の塗装
・防水/屋上、バルコニー床の防水
・その他/屋上ハッチ交換、バルコニー物干し金物交換、階数表示板交換、集合ポスト交換、掲示板交換、階段室内手すり新設、敷地内アスファルト舗装等
○工事期間/2017年1月24日~2017年5月31日