分譲時の採用材料に高級感 クリーニングにも配慮が必要

パークホームズ上板橋ヒルトップレジデンス第1回大規模修繕工事

今回は閑静な住宅街の丘の上に立地する高級マンション。分譲時に採用された材料も高級感が漂っている。
パークホームズ上板橋ヒルトップレジデンスは4~9階がアルミカーテンウォール、10階の最頂部がフライングコーニスと呼ばれるアルミパネル部分で、通常はロープ(ブランコ)作業で清掃が行われている。ガラス張りの高層ビルの大半がカーテンウォール工法で、その清掃風景がこのマンションでもあるのだ。
 今回は全面足場がかかるので、ロープ作業では見落としがちな部分を重点的に調査し、不具合個所の発見と補修、入念な清掃および撥水剤の塗布を行った。
その他の外壁においては過去、タイルを補修した経験がある。このため浮き・欠損部を入念に調査し、修繕個所は既存タイルの撤去・新規タイルの張り付け、エポキシ樹脂モルタルによる欠損部の充填、アンカーピンニング工法による落下防止などを部位に合わせて採用した。
外廊下やバルコニーのシートに浮き、ふくれ、変退色などの劣化がみられ、通常より早い劣化スピードという判断から全面更新を実施。特に1階部分の共用廊下に関しては、台車の音などの騒音対策として、弾力性・遮音性のある特殊シートに貼り替え、高級感のある仕上がりとなり、騒音についても改善された。
ルーフバルコニーの床材については、端部処理、継ぎ目共に耐久性の限界を超えており、劣化のひどい住戸については、床材を撤去し、接着剤が残ってしまうことから、露出仕上げ可能な床用補修材を施工した。
 オーナーズラウンジの張出パラペットの吹き付け塗装仕上げ面が、上部クラックからのエフロレッセンスにより汚れが目立っていたため、パラペット上部にウレタン塗膜防水を施工し、その上にステンレス水切りを設置し、雨水等が張出パラペット下部に垂れないよう汚れ防止対策を行った。
三和建装では、各作業の責任者(職長)の自主検査→現場代理人検査→社内検査(工事部スタッフ)→監理者検査→管理組合検査→居住者アンケートによる指摘等、複数のチェック体制で工事を進めている。各検査結果を検査シートに記録して監理者に報告し、監理者の承認後に次の工程に移る。
ISOの手法に沿った検査手順により、施工の品質管理を確保しているという。

工事データ

○工事名/パークホームズ上板橋ヒルトップレジデンス第1回大規模修繕工事 ○建物概要/ 2003(平成15)年12月竣工・RC造・地上11階建・1棟・184戸 ○発注者/パークホームズ上板橋ヒルトップレジデンス管理組合 
○主な工事内容
・ 仮設/資材倉庫、工事トイレ、洗い場、廃材置き場等の設置
・ 躯体補修/下地調査、ひび割れ部、欠損部、モルタル浮き部等の補修、高圧洗浄等
・ 防水改修/屋上、ルーフバルコニー、バルコニー、サービスバルコニー、開放廊下、外部階段、各所庇等の防水改修
・タイル補修/外壁タイル(45三丁掛山型タイル)の補修
・ 石補修/外床影石・エントランス内床等の洗浄
・ 特殊左官/外壁見付面、廊下手摺内壁、各所天井、外構用擁壁等の塗装
・ 金属/オーナーズラウンジ張出パラペット汚れ防止水切り設置、自転車置き場屋根のタッチアップ塗装、アルミ手摺・面格子・アプローチ軒天井等のクリーニングおよび撥水剤塗布
・ 金属製建具/アルミ建具・鋼製ドアの調整、エントランスホール玄関ドア・格子塗装、フロアーヒンジ交換、アルミカーテンウォールの水洗い清掃および撥水剤塗布
・ 塗装/一般鉄部全般、排水ドレインの塗装、立体駐車場の鉄部錆び、劣化部分の下地処理の上、タッチアップ塗装
・ 内装/内壁・天井ビニルクロス、内床クッションフロアー、内床長尺ビニール床シート等の貼り替え
・舗装/インターロッキング・中庭床石の洗浄
・その他/穴あきブロックの洗浄、消防水利標識の交換等
○工事期間/ 2015年7月13日~ 2016年1月16日