網戸の脱着、バルコニーへの立ち入りなど 女性現場代理人が主婦層に安心感もたらす

港北ニュータウンシンフォニックヒルズふれあいの街団地第2回大規模修繕工

大規模修繕工事では、足場を組み立てて調査を行うことにより、工事着手前にはわからなかった不具合個所が発見されることがある。下地の補修個所の大幅な増加や、大掛かりな建築金物工事などが発生した場合、工期内に工事を完了させるべく、工程の調整や施工会社の手配等が生じてくる。
こうした状況に慌てずに対応しているのが入社18年目の女性現場代理人の奥村順子さん。
工事の現場での女性代理人は珍しい。しかしながら、マンションの大規模修繕工事では網戸脱着のために部屋の中に入ることや、バルコニーへの立ち入り調査などがあるため、女性代理人であることが日中に在宅する主婦層の安心感をもたらしている。
奥村さんは「アール・エヌ・ゴトーは外壁塗装だけではなく、下地補修や防水工事なども施工できる『工事部』という専属の作業員をかかえています。そのため、入社当初は同じ現場の工事部の先輩方に仕事を教えてもらいました」という。
一般的に日本の建設業界は元請け、下請け、孫請け…等の仕組みがある。しかし、アール・エヌ・ゴトーは元請けという立場で職人を社員として雇用しているのだ。
設計・監理を務めている改修設計の田中さんは「経験則からくる適切な状況判断がすばらしい。また、日常会話でのやわらかさ、女性ならではのお客様目線は男性の代理人にはないもの」と評価している。

改修設計は社会貢献の一環として、ものつくり大学(埼玉・行田市)の学生(2年生2人)を8週40日の間、「就業体験」として受け入れた。
このうち7月の2週間を港北ニュータウンシンフォニックヒルズふれあいの街団地の工事現場で指導。奥村さんなどアール・エヌ・ゴトーの協力を得ながら、工事監理を実際に体感した。学校では学べない就業先での体験を通し、改修業界を就職先に選ぶ学生もいるなど、大学と企業の連携が進んでいるようだ。

工事データ

○工事名/港北ニュータウンシンフォニックヒルズふれあいの街団地第2回大規模修繕工事 

○建物概要/ 1992(平成4)年竣工・WRC造(壁式構造)、RC造(鉄筋コンクリート構造)・地上3~ 11階建・6棟・287戸 ○発注者/港北
ニュータウンシンフォニックヒルズふれあいの街団地管理組合 
・ 間接生産設備…現場事務所、作業員休憩所、仮設トイレ、倉庫等の設置・解体
・直接生産設備…建物全体を囲う足場の設置・解体
・ 躯体回復…高圧水洗浄、塗膜剥離、ひび割れや浮き、剥落などの補修
・外壁塗装等…天井や外壁既存塗装面の塗装
・ シーリング…外壁目地やサッシまわりの古いシーリングの打ち替え
・ バルコニー…バルコニー内の天井、壁の塗装や側溝の防水
・屋上まわり…屋上の防水、塗装
・ 金属部塗装…発錆個所のケレン、清掃、下地調整、錆止め、塗装
・関連建築工事…照明器具交換、受水槽撤去など
※別途、YKK APによるサッシ交換工事を実施
○工事期間/ 2015年6月15日~ 2016年1月31日