閑静な住宅街に存在感あるマンション 意匠性アップにこだわり再吹付けも実施

レクセルプラッツァ蒲生大規模修繕工事

戸建て住宅が並ぶ閑静な住宅街。一際存在感のあるマンションがレクセルプラッツァ蒲生だ。小学生の子どもを持つ世帯が多く、居住世帯が比較的若いマンションでもある。
1回目の大規模修繕工事とあって、基本的な修繕項目は外壁、防水、鉄部、シーリングの改修だが、よりこだわったのが外壁塗装面の意匠性、カラーリングについて。
タイル張りの部分が少ないマンションのため、より重厚感のある塗装仕上げを求めた管理組合と施工者との間で、塗材の検討に相当な時間をかけた。
結果的に上塗りに菊水科学の石材調塗材仕上げ材を選択。豊富なカラーバリエーションが可能なセラミック系細骨材の質感で、塗料にはない意匠性が表現できるというもの。
また、特に外観の塗装面はリシンガンによる吹付けを行った。一般的に改修工事ではローラーを用い、再吹付けをするケースは少ない。より重厚感のある意匠性アップにこだわった結果だといえよう。
その他の注意点では、普段から小学生が中庭で遊ぶ日常があるため、施工前に「キッズ説明会」を開催。共働きの世帯も少なくないため、マンション内で遊ぶ子どもの安全に十分な配慮を必要とした。
中庭には駐輪場を移動して資材倉庫(有機溶剤等危険物等の保管を含む)、廃材コンテナを設置。カラーコーン等でバリケードで区画した。さらに居住者用に植木等の仮置き場も作ったが、植木だけでなく、荷物の仮置き場も設置。その分、子どもたちの遊ぶスペースが狭まったが工事期間中の我慢を子どもにも理解してもらったということになる。
作業員と居住者の動線の分離についての配慮は徹底した。作業員はメインやサブエントランスを使わず、防犯用にテンキー錠をつけた工事作業員用扉を工事期間中のみ外部から敷地内への侵入者対策とした。
現場事務所や作業員休憩所、洗い場、仮設トイレは隣接の越谷市との協議によりコミュニティハウス脇の提供公園を借用。公園の遊戯を近隣住民の子どもたちが使えるよう、現場事務所等は仮囲いをして対応した。
 作業員や材料搬入は工事用の出入り口を使い、休憩などは提供公園を使うことで動線分離を徹底した。
1回目の大規模修繕工事の経験を生かし、今後も戸建て住宅街の中でランドマークとしての存在感をこれからも維持していく。

工事データ

○工事名/レクセルプラッツァ蒲生大規模修繕工事 ○建物概要/2002年(平成14年)竣工・RC造地上8階建て・1棟・197戸(+集会棟1戸) ○発注者/レクセルプラッツァ蒲生管理組合
○主な工事内容/
・共通仮設/現場事務所、工事用トイレ、廃材置き場等
・直接仮設/足場、メッシュシート
・ 下地補修/モルタル浮き、欠損、鉄筋露出、ひび割れ等の補修、高圧洗浄等
・タイル補修/浮き、ひび割れ等の補修、タイル洗浄等
・ シーリング/打継ぎ目地、タイル取り合い部、サッシ回り、建具回り等
・ 外壁等塗装/一般外壁、バルコニー、共用廊下、手すり壁、天井、その他
・ 鉄部塗装/避雷針、屋上通気筒、各戸玄関枠、鉄骨階段、消火栓ボックス、メーターボックス等
・防水改修/屋上、バルコニー、共用廊下床、排水溝等
・ その他/自動ドア新設、東日本大震災によるコンクリート破断個所の補修等
○工事期間/ 2014年1月~7月