ペアガラス採用で約2,300万円補助 27棟別会計導入し「100年タウン」目指す

磯子レインボーハイツ団地大規模修繕工事

3回目の大規模修繕工事は2011年9月の大規模修繕工事対策委員会の設置からはじまる。 メンバーは各種講習会やセミナー、相談会に参加して情報収集を行い、内部でも工事や長期修繕計画に関する学習会を行った。  2012年の総会では、委員会答申として建物躯体、給排水管の劣化状況を調査するため、設計コンサルタントを相見積もりの結果から英綜合企画設計に依頼することを決議した。  さらに英綜合企画設計の設計業務により、工事業者候補を2013年5月に選定し、9月の臨時総会で工事を決定。本体工事、共用外構工事(サカクラ)、窓サッシ・玄関ドア改修(LIXIL)を9月30日、消費税5%の値段で工事契約を締結することができた。  また窓サッシ・玄関ドア改修については築30年以上経過しているため居住者からカタカタ音がするという希望で修繕項目に取り入れたが、ペアガラスを採用するしたことから国土交通省の省エネ改修推進事業に申請。約2,300万円の補助を受けることができた。  こうした制度等の情報収集は顧問業務を採用したことが大きいといえるだろう。  2008年4月、井上光明マンション管理士と顧問契約を結ぶ。井上氏は顧問として毎月の理事会や総会への出席、弁護士相談への同行などを行ってきたが、形にのこる活動実績も多い。  ①棟別修繕積立金賦課基準の作成②管理費延滞回収マニュアルの作成③駐車場専用使用権廃止に関する規約化④理事会妨害者への説得による鎮静化⑤近隣自治会との防災に関わる「覚書」の締結⑥駐車場外部賃貸の規約化⑦草刈事故の管理組合責任の対処など。こうした活動についても国土交通省の25年度マンション管理適正化・再生推進事業に採択された。  修繕積立金の棟別管理については、これまで竣工期別(第1期~第4期)で行ってきた管理について規約改正により2009年4月から27棟別の区分経理を開始した。内訳は10%を団地修繕積立金へ、残りを各棟の会計に配分する。各戸積立金のシミュレーションも行い、公平性を期すため、また今後大幅に不足することから、不足額の大きい住戸タイプのみ必要最小限の値上げを提案し、議決。2010年1月分から実施している。  現在、英綜合企画設計により30年間の棟別長期修繕計画を策定中。マンションの「長寿命化・再生」に尽力し、「魅力ある100年タウン」を目指している。

工事データ

○建物概要/ 1980 ~ 1984年(昭和55 ~ 59年)竣工・PC造(一部RC)・27棟・381戸 ○工事名/磯子レインボーハイツ団地大規模修繕工事 ○発注者/磯子レインボーハイツ団地管理組合 ラ ○主な工事内容/共通仮設/足場仮設/躯体下地補修/シーリング打ち替え/外壁塗装/鉄部塗装/屋上・屋根防水改修/バルコニー床防水改修/室外機置き場床防水改修/階段室庇天端防水改修/階段室床防水改修/建築雑/共用外構(専用庭フェンス更新、鉄部塗装) ○工期/平成26年1月~平成26年11月30日予定(約10カ月)