海辺のリゾートマンション 躯体補修にピンネット工法を採用

逗子マリーナ4・5号棟大規模修繕工事

ヨットハーバーを囲むように立地するリビエラ逗子マリーナ敷地内のマンションは計9棟・1,266戸。大部分が別荘として所有されている海辺のリゾートマンション。チャペルのあるブライダル会場やレストラン、パーティースペースなどが充実する海浜総合リゾート施設にある。

今回は、逗子マリーナ4・5号棟管理組合が実施した大規模修繕工事を取り上げた。

逗子マリーナ4・5号棟は222戸のうち、約60世帯が居住しているが、その他の約70%超が週末や休暇などに訪れる外部区分所有者である。
とはいえ、理事会はしっかり機能していて、第三者機関を入れる「設計・監理方式」を選択して工事計画を立てた。「設計・監理方式」とは、企画調査、診断、仕様・工法の検討、工事費の積算、業者選定の際の見積もりチェックなどを設計事務所等に委託し、工事中は業者の施工が適切に行われているかを監理してもらうもの。高級リゾート地では一般的に管理会社に「お任せ」となるケースが多いが、4・5号棟は人任せではなく、管理組合の「意思」を明示したというわけだ。
その理由として大きかったのが、着工時に経年が築38年になること海辺による塩害の影響が大きいこと、の2点。
特に躯体コンクリートの劣化状態はひどく、ひび割れにはポリマーセメントペーストをすり込んだり、電動グラインダーでU型に溝を作ってシール材を塗るUカットシール工法などを採用した。
さらに劣化が進んだ部分で鉄筋露出やコンクリート欠損部分はピンネット工法を採用。コンクリートドリルで躯体コンクリート中に30㎜以上の深さに孔を空け、ステンレスピンを挿入。エポキシ樹脂を充填し仕上げを行った。
その他でも、屋上や壁面などにも高級リゾートの重厚感を出す部材が用いられ、その劣化が進んでいた。こうした飾り部材を撤去し、建物の維持管理として、すっきりとした仕様とした。
施工を担当した㈱カシワバラ・コーポレーションの赤桐正和・現場代理人は工事を振り返って「下地調査の際、目視ではひび割れと判断できる箇所も、打診棒やハンマーで叩いてみると躯体コンクリートが大きく剥れ落ち、結局は鉄筋爆裂でした。爆裂補修に型枠を使用したりと新築工事かと思える程の補修内容で苦労しました。」と話している。

工事データ

○建物概要/ 1975年(昭和50年)3月竣工・RC造・2棟・9階建て・222戸 ○工事名/逗子マリーナ4・5号棟大規模修繕工事 ○発注者/逗子マリーナ4・5号棟管理組合  ○現場代理人/赤桐正和 ○主な工事内容 ・仮設工事/現場事務所、作業員休憩所、資材倉庫、工事用水電力等 ・下地補修工事/塗装面の洗浄、タイル面の洗浄、ひび割れ補修、鉄筋露出部・欠損部補修、モルタル面浮き補修 ・外壁等塗
装工事/バルコニー天井・壁、アプローチ天井、その他 ・鉄部塗装/鉄扉・高架水槽、その他 ・防水改修工事/バルコニー、外階段、庇、屋上・ルーフバルコニー(ウレタン塗膜密着工法) ・シーリング工事/屋上瓦状PC庇目地、開口部廻り、開口部皿板武、外構、その他 ・その他/ドレン金物竪樋改修、避難ハッチ交換(腐食部) ○工期/平成25年12月上旬~平成26年5月下旬(6カ月)