築18年目で第1回大規模修繕工事 柱・梁のないWRC造で修繕周期は長め!?

藤和横浜下永谷ホームズ大規模修繕工事

 閑静な住宅街の中に3階建ての低層で、200戸以上のスケールで立地する藤和横浜下永谷ホームズ。5LDK・150㎡超の専有部分は分譲当時、「億ション」だった。
 見た目の劣化が感じられないことから今回が1回目となる大規模修繕工事。築18年目のことである。
 マンションの構造はWRC造(壁式鉄筋コンクリート造)。柱と梁で骨組みを造るRC造(鉄筋コンクリート造)に対し、柱と梁を使わずに主に耐力壁とスラブだけで住戸を構成する造りである。
 柱や梁を使わないために住戸内は広い間取りにすることができる。藤和横浜下永谷ホームズのような、広大な敷地を十分に利用した3階以下の高級感のある低層集合住宅に用いられることが多い。
 実際に足場をかけて調査をすると、外壁ではタイルの浮き、クラック、鉄筋の爆裂など「外観の目視調査のときよりも下地の劣化が多かった」と㈱カシワバラ・コーポレーションの現場代理人・伊藤彰浩氏はいう。
しかし「それでも築12年程度で行う一般のマンションと同程度」とも。すべて耐力壁を用いているため、修繕周期は長めと考えてよさそうだ。
 ただ、シーリングについては接着力の劣化が進み、サッシ回りや外壁目地のシールは口が開いたような状態になり、雨水などが浸入しやすくなっていた。
 伊藤現場代理人は「マンションの修繕周期は構造体や新築時の施工、立地条件など、さまざまです。一般的なマンションではやはり10年~ 15年周期の間で大規模修繕工事は行う計画がよいでしょう」と話している。

工事データ

○工事名/藤和横浜下永谷ホームズ大規模修繕工事 ○建物概要/ 1993(平成5)年3月竣工・RC造地上3階建・12棟・205戸+管理棟 ○発注者/藤和横浜下永谷ホームズ管理組合  ○主な工事内容/共通仮設 直接(足場)仮設/下地補修(コンクリート・モルタル面)/下地補修(外壁タイル面およびコンクリート・モルタル面)/シーリング/洗浄/外壁等塗装/鉄部塗装/バルコニー・屋内階段室の床仕上げ○工事期間/ 2011年9月20日~ 2012年3月31日(予定)