共用・専有部分の給排水管更新で 国交省事業の補助金1億円取得予定
管理組合と自治会で自主防災組織を構成したり、夏祭りや餅 つき大会などイベントも充実。管理センターでは24時間有人 管理を行い、住戸内のインターホンでいつでも管理センターに 連絡できるなど、安心・安全に暮らせる街を築いている。 建物メンテナンスでは長期修繕計画のもと、2013年に大規 模修繕工事、スロープや非常階段の手すり設置、14年にエレ ベーター改修、15年にメーン通路のインターロッキング改修 を実施した。 そして今回、2018年には共用部分と専有部分の給排水管更 新工事を管理組合主導で行った。 この工事で最も大きな特徴は国土交通省の長期優良住宅化リ フォーム推進事業を利用した点。理事長独自にこの事業の情報 を得て、工事前のインスペクション(建物全体の現況・性能の 診断・検査)を前提に、さまざまな要件をクリアして補助金を 施工者である京浜管鉄工業が申請(制度の補助事業者は施工者 等で、発注者である管理組合は補助事業者となることができな い)。工事中の昨年12月に補助対象の通知を得た。
補助金の額は工事費全体の1/3に近い1億円。京浜管鉄工業 の担当者も専有部分を含めた工事を管理組合が負担する上で、 「非常に大きな金額でした」と話す。工事完了報告後、6月こ ろに補助金を取得できる予定だ。 専有部分の給排水管の工事を管理組合の費用負担で実施することは、修繕積立金の扱い方に注意が必要となる。今回の工事 は総会での合意により、給排水管更新工事を進めることができ た。 鎌田孝理事長は「次に引き継ぐこともできる工事だったが、 リーダシップをもって行った。住民のみなさんから工事をして よかったと言ってもらえることがうれしい」と話す。「京浜管 鉄工業の作業員もテキパキとし、マナーもよく、任せてよかっ た」とも。 補助金取得により、連結送水管更新の追加工事もできた。「今 後50年安心して住めるマンションになった」と施工会社への 感謝を述べている。
(大規模修繕工事新聞111号)
取材を受けていただいた鎌田孝理事長(右)
解体作業の状況
室内の配管ルートに点検口を設置
改修前のパイプスペース内
現場事務所には「補助金申請中!!」の横断幕も
施工者:京浜管鉄工業 株式会社
■本社 〒171−0031 東京都豊島区目白2−1−1目白NTビル6F
☎03−6871−9961
代表者:平松拓也
設立:1952年(昭和27年)12月
資本金:1億円
//www.keihin-se.com
工事データ ○工事名/稲毛スカイタウンふれあいの街給排水管更新 工事 ○建物概要/ 1986(昭和61)年~ 1989(平成元) 年竣工 ・SRC造・地上15階建て・3棟・410戸 ○発注 者/稲毛スカイタウンふれあいの街団地管理組合法人 ○施工者/京浜管鉄工業㈱ ○主な工事内容 ①仮設 ・現場事務所、作業員詰所、加工場等の設営 ②共用部分給排水管更新 ・地下ピット内の配管および立ち上がり部から最上階までの給水管の更新 ・共用部分浴室・洗面・洗濯排水管の更新 ・上記に伴う建築付帯工事(内装工事) ③専有部分給水・給湯管、排水管更新(6~7日間工事) ・各戸専有部水道メーター以降の給水・給湯管の更新 ・専有部汚水・雑排水管の更新 ④インスペクションおよび補助金申請業務 ○工事期間/ 2018年7月~ 2019年1月 ○工事費用/ 3億4,200万円(税別) ※このうち、1億円を国土交 通省の補助金で賄う。
平成30年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業
○要件
①リフォーム工事前にインスペクションを行うとともに、維持保全計画及びリフォームの履歴を 作成すること
②リフォーム工事後に次のabの性能基準を満た すこと
a.劣化対策及び耐震性(新耐震基準適合等) の基準
b.省エネルギー性、維持管理・更新の容易性、 高齢者等対策、可変性のいずれかの基準
③② のabの性能項目のいずれかの性能向上に資 するリフォーム工事を行うこと
○補助対象
・長期優良住宅化リフォーム工事に要する費用
・インスペクション費用
・リフォーム履歴作成費用
・維持保全計画作成費用
・リフォーム瑕疵保険の保険料