メンテ費が管理費会計も圧迫、解体後は平置き6台分が積立金へ
既存の駐車場は、新築当初より1階住戸の専用庭の一区画にある専用使用権付き平置き駐車場12台と、機械式駐車場75台が設置されていた。
この機械式駐車場は築年が進むにつれて借り手が徐々に減り、最終的に25台分ものパレットが空いた状態が続くことになってしまった。155cmという車高制限があり、流行のミニバンなどは外の民間駐車場を借りざるを得ないことも原因と考えられた。
駐車場使用料収入は管理費会計に60%、積立金会計に40%組み込み、メンテナンスは管理費会計から支出していた。メンテナンス費は1パレット3,000円×年6回×75台で合計年間135万円。このため、収入とならない空き駐車場分は「無駄な出費」となっていた。
管理組合は2009年、1回目の大規模修繕工事に併せて、25台分の機械式駐車場を解体・撤去・整地を総会で決議。その工事費用は約300万円であった。
25台分のメンテナンス費45万円で換算すると6年半で回収でき、また電気代や修繕費、将来の建て替え費等の節約にもなる。
解体後は平置き6台分とし、使用料収入を積立金会計に組み込むようにしている。
(大規模修繕工事新聞105号)
駐車場の故障多発から、プロジェクト立ち上げ、問題解決へ
既存は機械2段式20台、平置き8台の計28台で駐車場管理を行ってきた。
2008年ころから駐車場に空きがでて、機械式の故障が多く発生。そこで駐車場問題対策プロジェクト会議を立ち上げ、次に修繕委員会に議題を移し、駐車場改修を具体化していった。駐車場の「空き」は常時5台分であった。
工事の実施は2015年。機械式駐車場を全面撤去、平置きとし(20台→10台)、従来の平置きの場所を増設(8台→11台)、さらに平置きを3台新設し、結果として5台減少の23台、全て平置きの駐車場が完成した。
工事を終えて管理組合では、機械式のメンテナンス費用55万円/年、この先20年間の長期修繕計画費用の合計約1,800万円の支出軽減ができたと話す。
さらにすべて平置きとしたことで駐車場が使用しやすくなった、開放感が増したなど、多くのメリットがあったと工事の実施を満足している。
(大規模修繕工事新聞105号)