課題は狭い敷地での共通仮設工事 様々な工夫は改修専門会社の強み

ライオンズマンション東戸塚ヒルズ大規模修繕工事

 JR横須賀線・東戸塚駅から徒歩25分、閑静な高台の住宅街に立地するマンションに西側からは大山や富士山が見渡せる。
 そんな抜群の眺望のマンションで行った1回目の大規模修繕工事。大きな課題点は、資材置き場や作業員の事務所等の確保できる敷地がないということだった。
 まず、建物の前に9基ある3段式駐車場の上段9台分は隣接する民間駐車場を借りて住民の車両を移動し、工事車両用とした。住民の車があれば足場が組み立てられないからだ。
 またそのうちの1基は中段・下段も工事用とし、塗料等の資材置き場とした。
 現場事務所は確保できたが、作業員の休憩スペースは喫煙所程度のものをがけの上に作った。入れる人数が限られてしまうので作業員は車の中で食事をとることが多いようだ。作業員用の仮設トイレもそれとわからないように囲みをつくって敷地内に設置した。
 狭い敷地にアイデアというか、苦肉の策で仮設工事を行い、約半年間に及ぶ作業が進んでいる。
 ただし敷地が狭いマンションは都心にはどこにでもある。こうした工夫はいくらでもできるということが、改修専門会社の強みといえるのではないか。
 むしろ管理組合と設計コンサルタント、施工会社との連携は良好であり、こちらのほうが工事の進捗に影響を与えるようだ。
 理事会の下部組織である修繕委員会がよく勉強しているようで、住民に対する周知など「工事への協力に理解がある」と、施工会社㈱アイピー21の現場代理人・堀川和彦氏はいう。
 「工事開始の当初、バルコニーのものを動かしてくれない住戸があったんですが、すぐに修繕委員の方が働きかけてくれました。工事の流れを知っているので、指示は的確で要望もわかりやすく、とてもやりやすいです」

工事データ

○工事名/ライオンズマンション東戸塚ヒルズ大規模修繕工事 
○建物概要/ 2000(平成12)年3月竣工・RC造・1棟・地上7階建て・62戸 ○発注者/ライオンズマンション東戸塚ヒルズ管理組合 

○主な工事内容/共通仮設(現場事務所、資材置き場設置等)/直接仮設(外部足場・飛散防止メッシュシート養生等)/外壁下地補修/シーリング/外壁塗装/鉄部等塗装
/屋上・バルコニー床・開放廊下床防水/その他(EV扉シート貼り・消火器プレート交換等) ○工事期間/ 2012年8月20日~2013年1月20日