北海道札幌市/イトーピア旭町管理組合

湿式外断熱工法で改修、躯体保護にも好影

 

2017年実施の外断熱改修事例。イトーピア旭町は過去2回、 外壁塗装工事を実施しているが、住民の管理意識はあまり高い とはいえず、総会を行ってもほとんどが委任状で成立する状態 であった。
 とはいえ、築年が40年を過ぎ、特にサッシ回りの劣化がひ どく、漏水などの問題も増えていた。そこで管理組合は湿式 外断熱工法による改修を実施。屋上も既存防水を剥離して、 50mmの断熱材を設置した。
 外断熱改修は、既存の外壁面に断熱材をかぶせ、さらに弾力 性や耐光性、耐衝撃性に優れた補強メッシュや下塗り・上塗り材を塗布するため、躯体の保護にも好影響がある。  設計者は「外断熱改修はデザインや光熱費より、躯体保護の ほうに意識を高めるべき」とし、「大規模修繕工事の周期を1 回飛ばすことも可能」と話していた。

(大規模修繕工事新聞108号)

外断熱改修施工者:Sto Japan(シュトージャパン)株式会社
■本社  〒102−0093  東京都千代田区平河町2−11−1 平河町ロンステート1F
☎03−5216−1530 代表者:佐々木 隆
設立:2005年(平成17年)12月
資本金:6,600万円
//www.stojapan.com

断熱材75mmを貼りつけ

1階ピロティ部分は断熱材 の厚みがわかりやすい

1・2階は石目調の塗材で仕上げ

カバー工法によるアルミサッシ交換

工事データ
○工事名/イトーピア旭町外断熱改修
○建物概要/1974(昭 和49)年6月竣工・地上11階建て(1~7階:SRC造、8階以 上:RC造)・60戸 ○発注者/イトーピア旭町管理組合 ○設計・ 監理者/㈲大橋建築設計室 ○外断熱改修施工者/Sto Japan㈱○主な工事内容
①屋上
・既存/既存の保護コンクリート上にFRP防水(1992年改修済み)
内断熱材:屋根スラブ下スタイロホーム50mm ・改修/ 既存FRP防水剥離、外断熱材(硬質ウレタンボード 50mm)+改質アスファルト露出防水
既存アルミアングル笠木の再利用、斜め笠木の新設
1階共用部分の屋根はFRP防水の上塗り補修
②外壁
・既存/ コンクリート打ち放しの上、吹き付けタイル塗装、1 階の一部は磁器タイル張り
内断熱材:スタイロホーム30mm ・改修/湿式外断熱工法
外壁:EPS断熱材75mm、高耐久塗材仕上げ(Sto)
1・2階石目塗材、3階以上5階部分にて外壁色分け 塗装
FF排気塔周囲の加工
1階磁器タイル部分は石目塗材仕上げ、一部塗装
③建具工事
・改修/専有部分はカバー工法によるアルミサッシの交換
外壁断熱施工により、窓下端に新規の水切り材の設置
④バルコニー
・改修/既存のウレタン防水の上塗り補修
バルコニー先端に設置した既存サッシの撤去
既存スチール手摺を撤去し、アルミ製に交換
縦樋の交換、クラースリーブの開口
⑤1階車庫内
・改修/室内側外壁面断熱補強
天井内グラスウール充填
⑥その他/ 玄関スロープ庇補修、1階ホール・廊下の内装更新 および照明器具交換、スチールドア等の鉄部塗装、 ドーバー工法による給排気塔部分の改修
○工事時期/ 2017