レクセルマンション松戸 大規模修繕工事
築7、8年ころから、窓・サッシ回り、エレベーター回りなど建物各所の既存シールの軟化が目立つようになっていた。ひどいところではシール材がただれていたり、触れれば手につく有り様。ところが管理会社や分譲会社に訴えても単に「劣化」と回答され、メーカー保証も得られない。ただし、シールの軟化はメーカーから「初めてみるレベルだ」との発言も。
あまりにただれが目立つ個所は部分的に補修していた。そこで、これ以上余計な費用をかけるなら、「早めに大規模修繕工事を行い、全面的に直したい」という意識が管理組合内に高まってきたのだ。
工事計画のための診断は管理会社が担当。しかし、今度は管理組合資産の約2倍の見積もりが出てきた。「修繕積立金の残高がいくらか知っている管理会社なのに。1回目の大規模修繕工事で借り入れをしたり、一時金を集めることなんて考えられない」。
マンション管理士の資格を持つ修繕委員を中心に、改修専門会社に見積もり募集をかけた。選ばれたのが地元・松戸に本社を構える㈱ラクシー。「技術管理室の検査体制など、品質管理に優れていると思った」というのがヒアリング時の修繕委員の印象だった。
ラクシーでは「大規模修繕工事中だからこそできるお得なオプション工事」として網戸の張り替えと網戸枠の手洗い・無償保管サービスを行っている。
今回工事でこのサービスを利用した住戸は約30%。バルコニー作業中は網戸を取り外し、室内で保管しなければならない期間がある。サービスを利用すればラクシーの自社倉庫で保管するため、汚れ等が気になる居住者には好評だったとしている。
また、今年は夏の終わりに大きな台風が続いた。台風対策では養生シートをたたみ、特に「資材置き場や足場の壁つなぎなどの確認・強化を徹底した」と現場代理人の柳沢さん。
工事の進捗については「マンション管理の知識がある修繕委員の方が毎週の打ち合わせ、メールのやりとりなど、コミュニケーションをよくしてくれたため、大きな問題はまったくない現場でした」。取材は足場解体の直前。残りは社長直轄である技術管理室の検査を受けるだけとなっている。