グランシーナ大和ステーションプレイス大規模修繕工事
かながわ県央ネットによる工事見学会を実施。あいさつする工事着工時の理事長(中央)
6月4日10時、神奈川・大和市のグランシーナ大和ステーションプレイスのコミュニティールームでNPOかながわ県央マンション管理組合ネットワーク(NPOかながわ県央ネット)の工事見学会が開かれた。
見学会のあいさつに立った工事着工時の理事長は「大規模修繕工事で大切なのは準備です。設計コンサルタントに手伝ってもらいながら、丁寧に準備を進めていった」と話してくれた。
2015年3月に修繕委員会を発足。NPOかながわ県央ネットに相談しながら、インターネット等で探した7社の設計コンサルタントから、設計費用の見積もり、ヒアリング等を行った。結果、(株)建物保全センターを選定し、同年7月末に業務委託契約を締結した。
委託契約締結後、すぐに108戸より主にバルコニー等の不具合のアンケート調査(一部立ち入り調査)を実施。さらに建物調査や試験を行い、修繕項目の内容・費用等に関して修繕委員会と協議を重ねていった。
この間、総会において修繕積立金が2倍となる値上げを通した。従来の資金計画で設定されていた段階的値上げを先延ばしにしている経緯もあり、さらに修繕委員会から「値上げをしないと長期的な視点から将来は一時金の発生もやむなし」というシミュレーションが提示された。一般区分所有者からは大きな反対意見もなく、値上げ案は通った。
施工業者は公募により13社がエントリー。書類選考で見積依頼業者を7社に。さらに現場確認を経て見積書提出後にヒアリング依頼業者を2社に絞った。
この2社のうち、「工事中の居住者への配慮、住環境への提案がよかった」(修繕委員長)という(株)カシワバラ・コーポレーションが施工業者として採用された。
工事内容は一般的な1回目の大規模修繕工事だが、建物が林立する立地条件から、足場仮設や資材の搬入が難しいというのが、このマンションでの工事の特徴である。
駐車場・駐輪場の出入り口ではゴンドラを採用し、マンション裏側では道路を通行止めにしてトラックやクレーンを入れ、枠組み足場を組み立てた。
とはいえ、理事会や修繕委員会が一丸となって工事に取り組んでいる様子もうがかえる。現場代理人の宮下浩規さんは「状況報告や追加作業など、工事をしっかり把握していただき、会社の提案に対してはっきり決断もらえているので、作業がしやすい。こんなに団結している管理組合さんはあまりありません」。
管理組合にとって、満足できる工事とは「お任せ」ではなく、管理組合の高い関心度が大きいようだ。