築15年、オンラインで初の大規模修繕、対面会合減で時間・費用・労力の節約へ
ダイナシティ王子は44戸のうち、約半数が投資目的で外部所有するマンション。管理組合役員が3人という少数で管理会社に全面委託しながら管理運営を行っている。
今回、管理会社から大規模修繕工事の提案を受けたのが築11年目の2018年。一般的な「12年周期」で翌年の工事実施のための提案だった。
理事会では管理会社による工事実施方法などの説明を聞きながらも、工事会社の選定等で管理組合の関与があまりないことに疑問を持った。このような中で、建築関係に明るい理事が全国建物調査診断センターのオンライン・セミナーを視聴。管理会社に“任せっぱなし”ではなく、コンサルタントを入れる方式などの情報を得た。
また、全建センターにはコンサルタントに設計・監理を依頼する方式だけでなく、工事監修のみサポートしてくれる方式(トータル・マネジメント方式〈TM方式〉)の選択肢があることがわかった。
ワンルームも多い小規模マンションにとって、財政的な不安は常に存在する。全建センターに相談を繰り返しながら、管理組合では理事会に3人を加えた修繕委員会を発足。費用の節約ができ、かつ専門家のサポートも受けられる、まったく新し築15年、オンラインで初の大規模修繕対面会合減で時間・費用・労力の節約へいTM方式の採用を決め、全建センターと管理契約を結ぶに至った。
折しも、2020年年初から新型コロナウイルスが全世界を席巻。全建センターではオンラインを積極的に活用する「オンライン大規模修繕方式」を提唱。修繕委員会との会合をはじめ、業者選定のプレゼンもオンライン方式で行った。
今後、工事がはじまってからの打ち合わせや定例会議(管理組合、工事会社、コンサルタント)もオンラインで行う予定だ。オンラインはコロナの感染予防だけでなく、対面会合が大幅に減るため、時間・交通費・労力の節約となる。
管理組合は集会室がないため、コロナ前まで理事会などはエントランスで行ったり、近隣のコミュニティーセンターの貸会議室等を使用していたが、コロナ禍でそれも使えなくなった。また、外部所有者の中には東京都内への移動を勤め先からNGとされた人もいた。
IT関係の専門家である成田理事長は「理事全員のネット環境が整っているわけではありません。でも手順書などを作り、やり方を説明していくことで慣れていきました」と話す。
さらに「慣れてくればオンラインで資料を共有でき、紙の用意をしなくてもよくなる。今後、会議室から全所有者へ発信できる機材を用意できれば、もっと活用されていくと思います」としている。
(大規模修繕工事新聞 第149号)